個別ケージ飼育とその問題点 (写真 1-10)

個別ケージ飼育はマカク属のサルにとって

不適当な飼育環境である

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霊長類が"社会的な要求"を持っている(Animal Welfare Institute, 1979)ということは、"環境向上計画"に加え"なければならない"事実であると、合衆国の連邦法に明示されている(United States Department of Agriculture (USDA), 1991)。

にもかかわらず、"霊長類を飼育する際に標準的に採用されている方法は、(未だ)単飼・個別ケージ飼育である"( Rosenberg & Kesel, 1994; National Institutes of Health, 1991参照; National Research Council (NRC), 1998)"。

ほとんどの霊長類にとって、その心理的幸福を高めるのに一番有効な方法は、1頭もしくはそれ以上の(同居可能な)仲間と係わりを持てるようにすることである"(Novak & Suomi, 1991)。

国際霊長類学会(IPS)は、"絶対的な理由なしに、霊長類を長期(30日以上)に渡って個別ケージで飼育すべきでない"と勧告している(IPS,1993)"。水及び食事を制限することに比べて、社会的な制限がいくらかはましと考えるべきではない"(de Waal, 1991)。


        写真2                           写真3

社会的などんな動物にとっても、とりわけ霊長類のような高い知性をもった動物にとって、個別ケージで飼育されることは退屈で(写真2)、気のめいるような(Lilly et al., 1999)ことである(写真3)。


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個別ケージにむりやり閉じ込められることは、霊長類にとって抑圧的な経験である。そこには、この嫌気のさす状況を変える選択の余地がない。


       写真5a                       写真5b

"他個体と係わり合うことが、ほとんどの霊長類にとって有益だということがわかれば、他個体と係わる機会を持たないことが、彼らに害を与えるものであるのは明白だ"。

多くの受刑者(写真5a)が"独房にひとり居つづけるくらいなら、自分を傷つける方がましだと思う(Yaroshevsky, 1975)"ように、個別ケージに閉じ込められることは、人間にとっても大変抑圧的な経験である。

同じことが、ヒト以外の霊長類についても当てはまる(写真5b)。彼らは個別ケージに閉じ込められた時、自分の体を噛むというという行為を頻繁に行う。"おそらく、長期に渡って個別ケージに閉じ込められることが、自身を噛む行為を引き起こす有力な要因であろう(NRC, 1998)。



写真6

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"個別ケージ飼育のアカゲザルに見られる、この自分の体を噛む行為は、結果的には噛んだ部分の脱毛と擦り傷が症状として残る'だけ'であるから(写真6, 個体の右手首; 写真はLisa Knowles, Wisconsin Regional Primate Reseach Centerの提供)、飼育担当者には気づかれないことが多い。

しかしながら、個別飼育の個体100頭中おおよそ10頭位の割合で、自傷行為が獣医の治療を要するような裂傷にまで至ってしまう。これは見落とすわけにはいかない問題である(写真7; Jorgensen et al., 1998; Novak et al., 1998; Macy et al., 1999)。


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            "個別ケージ飼育は、サルにとってもひどい仕打ちである"(Sakol, 1993)


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ヒト以外の霊長類も人間と同じように、その心理的な心地よさと幸福のために、社会的な接触や係わり合いを必要とする(写真9, 10; Shively et al., 1989; NRC, 1998; Lilly et al., 1999)。"飼育下の霊長類にとって、同居可能な同種他個体の存在は、他のどんな環境エンリッチメントの工夫よりも適切な刺激となるだろう"(IPS, 1993)。

グループ飼育(写真11-13)

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